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科研費@サクラサク

研究者にとって、4月1日はビッグ・デーです。来年度からは日程が変更されるようです。

科学研究費助成事業(科研費:かけんひ)=申請に基づく国からの研究費支援、の可否が発表されるからです。

絶対にイケると思った昨年度はダメだったので、今年もダメかもと心の片隅で思っていました。だから日本学術振興会のウェブサイト上で結果が出るとされる午前10時には、見ないもんね、と意地を張っていました。結局午後1時過ぎまで、意地を張り続けましたが、気になって仕事と食事が進まないので、やっとウェブサイトを閲覧しました。

「採択課題があるため交付申請手続きを行うことが可能です。(There is provisional grant decision. Application for grant authorization is enabled.)」

わーい!わーい!わーい!

社会人生活を経て2015年の年度途中から大学人(教員)になった私は、大学に着任した日には「科研費」という言葉も知らなかったという恐ろしい事実があります。それを思い出すと、まあ6年間で2回も科研費を頂けたのは、本当に周りのみなさまのおかげです。

私の研究調書草案第一版を真っ赤になるほどのペン入れでダメ出しし、こうすればいいと答えを与えてくれるのではなく、私が答えを出せるように問いかけをし、もはや危うくなった日本語の「てにをは」を添削し、挫けそうになる私を叱咤激励してくださった同じような研究分野の研究者のみなさん、まったく違う研究分野のみなさん、さぞかしウンザリなんだろうなあ申し訳ないと思いながらも申請書草案を見てあげるよという優しいお言葉に甘えて見ていただいた大御所の研究者の方々、そして何といっても所属機関の研究支援室の方々のおかげです。

いただくことが内定した今回の科研費の研究資金として、フィールドワークのための旅費をたくさん計上しているのですが、このコロナ禍ではフィールドワーク計画も立ちません。「計画通りに研究が進まない場合」そのままである「フィールドワークに行けない状況」で何ができるか、が研究者としての腕の見せ所ということなんでしょうね。コロナ禍で鬱々した気分に光が差してきました。

「採択課題があるため交付申請手続きを行うことが可能です。(There is provisional grant decision. Application for grant authorization is enabled.)」この文言がエイプリル・フールもしくは事務ミスでないことを祈ります。