研究紹介

About my research

研究の関心は、ざっくりと、カリブ海地域社会。
もっと狭めると、イギリスの植民地だった歴史を持つ、英語を公用語(共通語)とするカリブ海地域の社会と市民について。
そして、多くの助成金をいただいて研究しているテーマは、ヨーロッパに父祖を持つカリブ海市民の「白人」としての自己認識の構築についてです。
短期間の旅行や出張では、植民地時代から続く、「白人」を中心とする、カリブ海の人々の、人種・民族・階級・階層が複合的・多層的に影響し合っている力関係は見えづらいものです。でも確実に、21世紀の現在も、植民地時代からの力関係は存在します。
カリブ海の最南端の国であるトリニダード・トバゴがイギリスから独立する前年の1961年、初代首相となったエリック・ウィリアムズは、 “Massa Day Done!”(プランテーション領主たち(=白人農園主)に労働力・資源を搾取され続ける時代は終わった)と演説しました。
21世紀の今。搾取していた側と搾取され続けていた側の子孫たちが、同じ国の国民として、内戦もなく共存している今、搾取していた側の子孫は搾取され続けていた側の子孫とどのような関係を築いているのか。。。ということに関心を持っています。
その他、大学など高等教育機関における異文化理解教育・国際交流に関する研究なども行っています。