Research Diary
博士号

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私は博士号を持っていません。今まで博士後期課程に進んだこともありません。

海外の研究成果発表会で、自分より20歳近く若いピチピチした学生さん上がりが、「ドクター〇〇」と紹介され、その次にピチピチさんより20歳近く年上の私が「ミズ・イトウ」と紹介され、やや恥ずかしい思いをしてきた昨今。

この春より博士後期課程に進むことになりました。進んだからといって博士号が無事に取れるわけではないですが、博士号獲得にむけて挑戦します。

日本の学会では、「〇〇先生」と呼ばれることが多く、最高学位がなくても大学の先生になれるので、日本で博士号うんぬんは触れない方がいい話題である感触があります。これはイギリスの大学にはない感じで、なかなか新鮮でした。

可愛がってくださる日本の名誉教授の先生方に博士後期課程進学の旨を伝えた反応はさまざまでした。「テニュアなのに本当に頑張り屋さんね、博士号をとってもテニュアにはありつけない時代だから、テニュアポジションをクビにならないように気をつけなさい」というものから、「おお!今からですか。機は熟しましたね」と前向きのご意見まで。

私自身、大学受験をしたことがなく、日本の大学名や偏差値?はよくわからないですし、世の中で「いい大学」と呼ばれているからという理由による大学選びには関心がありません。

  1. 社会学の博士号を付与する大学院で(勤務校は不可)、
  2. 指導教員が責任を持って博士論文を指導してくれそうで、
  3. 入試説明会の手際と感じがよく、
  4. 指導教員の研究業績が素晴らしく、
  5. その業績の成果発表・公開も抜かりなく、
  6. 競争的研究資金を継続して獲得していて、
  7. こういう研究者になりたいと尊敬できて、
  8. 研究者としてだけではなく教育者としても客観的に業績が見えて、
  9. 勤務校からストレスなく通える距離にあって、
  10. 指導教員が博士号を持っていること

上記条件にあう大学院は3本の指に入るだけしかありませんでした。そして結局、今回合格した大学院しか受験しませんでした。その主な理由は、大学院入試情報が見やすく、知りたい情報にすぐアクセスできるホームページ構成だったから、です。ホームページで情報を得ようとする人が誰か、何を知りたがっているのか、それをどう見せるのか、何を知らせたいのか、をよくよく考え抜いた末に構成されたホームページでした。

本日無事に「入学金+授業料など諸々」を銀行窓口でお支払いしました。「お子さんの学費ですか」と聞かれ、「わたくしのです」と答えた私を不思議そうに見つめた窓口の女性の表情が忘れられない。

頑張ります。