Research Diary
インタビューは対面がいい。

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コロナ禍で、フィールドに行けなくなったから、なんとかして計画していた研究課題の研究対象の方々へ聞き取りを続けようと、メール+Zoom、メール+Facetimeでインタビューを行ってみましたが、わかったのは、初対面の方々とは絶対に対面がいい、ということです。

対面じゃなければ、やらない方がいい、とも思いました。

私の研究の場合、聞き取るテーマや内容が、自身の人種差別的言動だったり、他の人種への嫌悪感だったりと、知りもしない人に対して、決して積極的には言えない内容であるので、インタビューに入る前に緊張をほぐしたり、私の人となりをわかってもらったり、ある程度の信頼を築いたりと、アイスブレイキングのためにどんなに時間をかけても、オンラインのインタビューでは聞き出せないです。まあ、わたくしめのインタビューの腕が悪いだけかもしれませんが。

フィールドでは、人のつてでインタビューを引き受けてもらえることが多いです。聞き取りも終盤に差し掛かり、これからの滞在期間中にあと何人インタビューする予定があるのか、と聞かれ、素直に、「今回は予定していたインタビューにキャンセルが4件あって・・・」と言うと、「ちょっと待ってて、任せて」とお友だちに電話してくださいます。

「ねえねえ、あなた今日、これから時間ある?今ね、私のところに日本から若い女性の研究者がいらしてるの。素敵な方よ(such a nice ladyという表現でした。やっと、小娘「girl」圏からは脱出)。彼女が何を研究していると思う?トリニダードの白人についてですって!私たちのことよ!そうなのよ。彼女と2時間もお話してしまったけど、ずいぶん自分にとって素晴らしい経験だったわ。白人としてどういう経験をトリニダードでしてきたか、って。昔のことも思い出して、楽しかったわ。で、あなたもどう?」

という風に、どんどんとインタビューの予定が埋まっていきます。本当にどんどんと。

そうやってお知り合いになれた方々は、自宅に招いてくださり、昔の写真など、研究者にとっては感動の涙ものの価値ある資料を見せてくださいます。

今までそうやって上手くやってこられたのは運が良かっただけではないと思います。

自分で言うのはずうずうしいかもしれないけれど、私を友人に紹介できる「まともな」人物だと思ってもらえたこと、私の質問の仕方、回答を聞く姿勢が、2時間も自ら話し続けてしまうほど「聞き上手」だったことも、フィールドで上手くやってこられた理由の一部だと思います。

フィールド、フィールド言い続けても、新型コロナウィルスはまだ当分感染拡大のおそれがあり、今年の夏も無理でしょうし、来年早春も無理・・・かなぁ。。。