Research Diary
「旧英領カリブの多文化共生を実現する少数派としての白人性とその構築過程の解明」

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エイプリルフールでなかった、科研費が通ったお知らせを受けてから約3週間が経ちました。

学内提出期限ギリギリまで悩みに悩んだ研究タイトルですが、長い!という感想を持ってしまいます。しかし、研究のキーワードを使い、研究目的をもねじこんで、すとんと落ち着くタイトルはこれでした。

「旧英領カリブの多文化共生を実現する少数派としての白人性とその構築過程の解明」

“White minorities: The construction of whiteness in the multicultural Commonwealth Caribbean”

テニュアを得る前は、とにかく業績を求めて書き続けた感(そういうほど書けてはいないですが)がありました。「業績書に載せられるもの」「業績書のページ数が多くなるもの」を書き続けるという感覚で書いていたときは、何をしているのであろうかと虚しくなったこともありました。英語で書いても日本では読んでくれる人が少ないから、また英語論文に付いてくる査読者のコメントも「弱い」ものが多く、じゃあ日本語で書いた方がいいのだろうなと、と慣れない日本語論文を書いていました。

今は。テニュアを得た安心感なのか。研究費が潤沢にある安心感なのか。好きなことを好きなように研究して、好きな言語で書いてもいい安心感なのか。今は研究をまとめて論文を書くのが楽しいです。

と書いてみましたが、授業が始まり、会議の予定が怒涛の勢いで入り始めると、エフォートは20%と記載したはずなのに、研究に割ける時間はどこにあるのでしょうか。

心身ともに健康で、社会のさまざまな人たちと交流を持ち、世間知らずの裸の王様にならないで、コンスタントに業績をあげつつ、学生に刺激を与え続けられる研究者として生きていくにはどうしたらいいのでしょうか。

と、ずっと考えている今日この頃です。